あいさつ
神辺育成会は、今から20年前の1994年11月に今は亡き世良靖郎先生の提唱のもとに障がい当事者たちが通う施設以外の活動の場づくりや権利を獲得していくための運動など「あたりまえに地域で暮らせるための環境づくり」を施設の枠を超え地域で活動している団体が集まり結成されました。
初代井上英雄会長のもと多くの方々に支えていただきました。
その活動は行政にも広がり当時の神辺町が、1998年には、「障害者プラン」の中に具体的な数値目標として明記されました。
神辺町には他町村よりも数多くの障がい福祉施設がありましたが、早い時期からの運動がその土壌を作りあげたのだと思います。
私は2002年より理事長の大役をお受けしました。
神辺育成会活動に取り組む中、「福祉の谷間にいる人たちを支えていきたい」という想いから、様々な方々がいろいろな立場で力を貸してくださったおかげで、2002年特定非営利活動法人(NPO法人)設立に至り、「学校や家庭以外の活動の場所づくりや宿泊体験」に取り組んでまいりました。
学校や施設から帰りにちょっと気軽に立ち寄れる「ホッとする場」づくりの実現がやっとできたとの思いでした。
神辺育成会だからこそできた事業だと今も自負しております。
育成会は本人の活動を支える団体です。
本人たちは「自分たちの事は自分たちを抜きに決めないで」ということを意識して行動に移しています。
その実現のために親も支援者も創意工夫を重ねています。
福祉サービスが充実する中で様々な障がいをお持ちの方へのご支援が求められてきています。
そういった意味では育成会の持つ役割も転換期を迫られております。
また会員の加齢化も進んでおり、若い親御さんなど世代を超えてともに支えあい、一緒に成長していく必要があります。
ずっと20年願い続けてきた、
「他から決められた人生を生きるのではなく、1人1人が人生の選択ができますように・・・」
「本人とその家族の人生の充実にたえずスポットをあてつづけられますように・・・」
との想いを、どんなに時代が変わっても貫いてまいりたいと思っております。
神辺育成会理事長 瀬良 京子